【昭と樹】麗 花萌ゆる8人の皇子たち(Moon Lovers 月の恋人 歩歩驚心)《二次小説》

18話があまりにも辛すぎて、受け入れることができず…

【愛とは。】

番外編【愛とは。】行到水窮處12(完)…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

高麗、松嶽。 皇宮広場にひとりワン・ソ。 風の向きが変わり、俄に暗くなる空。 顧みれば、太陽が… … 左頬に手を添えるソ。 … 「わたしたちの世が違うなら わたしがそちらへ行く」 **** ソウル。 「歩けるかい?」 小さく頷くハジン。 後ろから背中を抱…

番外編【愛とは。】行到水窮處10…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「ソウル、中央デパート…?」 そのとき、バタバタと足音をたてて駆け込んでくる少女。 「パパ! ママ! ここにいたの! どうしたの?!」 その姿をみて 「ソ、ラ?」 「立てるかい?」 男に促されながら、ゆっくりと立ち上がるハジン。 駆け寄る少女…ソラ。 …

番外編【愛とは。】行到水窮處9…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

(ごめんなさい。ごめんなさい) 水の中に静かに沈んでいく… … 現代。ソウル。 肖像画の前で、崩れ落ち意識を失う女性。 … そのとき、 背後からひとりの男が近づく。 … 「大丈夫か?!」 … 膝をつき、体を起こす。 「どうした? しっかりしろ!」 … (ああ、…

番外編【愛とは。】行到水窮處7…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「だから、すべて、すべて忘れます」 … 「母上!」 抱きつくソラ。 静かに瞳を閉じるス。 「ダメだ、戻ってくるのだ。 許さぬ、許さぬ。 わたしを捨てないでくれ。ひとりにしないでくれ。 スよ、スよ、スよ…」 **** 東池。願いの石塔。 背後に近づく懐か…

番外編【愛とは。】行到水窮處6…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「えっ、流産…?!」 チェリョンの言葉に驚く、ソラ。 チェリョンの足もとにしがみつくまだ幼い男の子が、びくっとして母の顔を見る。 その後ろで子どもの肩に手を添えるのは、父親…ウォン。 「陛下は『ソラがいるから十分だ。正胤は必要ない。弟たちもいる…

番外編【愛とは。】行到水窮處5…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

寝台に横たわるスの手を固く握るソ。表情は険しく、流れる涙を拭うこともしない。 「ああ、スよ」 握った手を自らの左頬に充てがう。 「おまえは以前、1000年も後の世の話をしていたな」 右手でスの額にかかる髪を優しく掻き分けながら 「1000年か…遠い、遠…

番外編【愛とは。】行到水窮處4…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

皇宮。スの部屋。 沈痛の面持ちで部屋の前に佇むのは、ペガとジモン。 傍らには内官や女官たち。 部屋の中のようすをじっと伺う。 … そこへ、駆けつけるジョン。 「兄上、ス姉上の容態は?」 「ああ、ジョン。久しぶりだな。知らせが届いたか」 「どうして皆…

番外編【愛とは。】行到水窮處3…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

高麗、松嶽。 東池。願いの石塔。 大小の石塔に並んで建つのは、一基の墓標。 じっと立ち尽くす、ソ。 苦しそうな表情で、瞳を閉じる。 … そこに… 微かに感じる懐かしい気配。風の中にただよう香り。 **** 皇宮。スの部屋。 寝台に横たわるス。 血の気を…

番外編【愛とは。】行到水窮處2…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

水の中に沈む体。もがこうにも関節も筋肉も固まり、いうことをきかない。 (苦しい、息ができない。頭が痛い、割れそうに痛い…) 薄れいく意識の中で思い出すのは、コ・ハジンとしての辛い記憶。 … (このまま、1000年くらい眠っていたい…もう、二度と目覚め…

番外編【愛とは。】行到水窮處1…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

行到水窮處 行きては水の窮まる處に到り ******** (ああ、苦しい。息が、息ができない…) (頭が、頭が、割れそうに痛い) … (わたしは、死ぬの…?) … 皇宮広場に佇む、ひとりの男。第4代皇帝光宗、ワン・ソ。 … (ああ、苦しい。助けて…) … (…

番外編【愛とは。】兄として3(完)…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

屋敷裏にあるミョンの願いの石塔。 ひとり佇むヨナ。 手には一通の書状が。 **** ヨナの自室。 寝台に腰掛けたまま、魂が抜けたようにぼうっとしている。 先ほど見かけた、兵に連れられ幽閉される兄の姿が頭に浮かぶ。 … そのとき、扉を控えめにノックす…

番外編【愛とは。】兄として2…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

婚礼の儀で玉座の前にウク。 「かつて顔に傷のある皇子がいたそうだ。 その者はどうなったであろう…」 肩を落とし、下を向く、ウク。 ガクリと膝から崩れ、床に手をつく。 ペガとジョンが駆け寄り、両側から支え、立たせる。 兵に連れらされるウクを見守る一…

番外編【愛とは。】兄として1…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

【愛とは。】第33話の夜から。 **** スの部屋。婚姻の儀の前の夜。 向かい合うソとス。 「陛下、ひとつだけお願いがあります」 「おまえのお願いほど恐ろしいものはない。だが、仕方がない。言ってみろ」 「ご家族のことです…」 「家族?」 「はい。ウク…

番外編【愛とは。】空の朝…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

秋。 瞻星台。 ジモンの書棚を落ち着きなくぶらぶらするソ。 一冊の本をなにげなく手にする。 開くとそれは…。 そこに後ろからジモン 「最新作のご用意もありますよ」 慌てて本を書棚に戻す。 「なにを言う、間違えただけだ」動揺を隠しきれないソ。 「正胤…

あとがきに代えて【愛】について。

妄想小説【愛とは。】にお付き合いいただき、ありがとうございました。 この小説は【愛】について語っています。 物語のテーマとして中心を貫きながら、さまざまなかたちで「【愛】とは」なにか? そこにどんな意味があるのか? を問うています。 『麗』の沼…

【愛とは。】36(完)…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

明るい光に包まれて… 額と左頬に深い傷をたたえた、ひとりの男、ワン・ソ。 その顔にそっと伸びる手。 優しく傷をなぞるのは「わたしの人」ス。 あの時のように、ソの顔にメイクを施す。 スの顔をじっと見つめるソ。 ふたりだけの静かな時間が過ぎていく。 …

【愛とは。】35…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

そのころ、東池。願いの石塔。 祈りを捧げるス。 そこに近づく、ジョン。 その気配に気がついて 「あら、ジョンさま。お帰りなさいませ。 まだ、ご挨拶できずに失礼しました。 無事にお戻りになれれて、なによりです」 「姉上、体調はどうか?」 「はい、お…

【愛とは。】34…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

婚姻の儀を控えた朝。 ひとり机に向かうソ。 … 髪をおろし後ろでまとめ、左頬には長い前髪がかかる。 皇帝としての鎧を脱ぎ捨てた素の姿。 一通の手紙を書き終え、封をする。 続いて取り出したのふたつの巻物。 皇帝からの命令書。 なにかを書き込んでいく。…

【愛とは。】33…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

夜。皇宮の廊下を歩くソ。 足取りは軽やか。 … スの部屋の前。 「スよ、わたしだ」 逸る気持ちを抑えて扉を開く。 … そこには 机の上に下にと、たくさんの品を広げ あれこれ悩んでいるスの姿。 「あら、陛下」 立ち上がりそうになるスに身振りだけで そのま…

【愛とは。】32…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

ウクの屋敷を訪れるウォン。険しい表情で 「大変だ。今朝、陛下が戻った。 すぐにヘ・スと婚姻するといっている」 「なに? ソが…?! スも毒を飲んだのにけろりとしている。 どういうことだ?!」 そこへヨナが現れて 「兄上、大変です。我がファンボ一族が…

【愛とは。】31…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

人目を避けるようにして、牢獄を訪れるス。 隅でうずくまり膝をかかえるチェリョン。 「お嬢さま…」 スに近づき、格子ごしに泣き崩れる。 「ごめんなさい、ごめんなさい。 わたし、わたし…」 「いいのよ。分かっていて飲んだのだから」 **** あの日の茶…

【愛とは。】30…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

そこに現れたひとりの女官。 手には花嫁衣装を持っている。 「皇太后さまからです」 驚く、ス。 … 語りだす、ミョンの父 「いまから半年前 元旦節に際して、皇太后さまとユ一族は、 カン氏と我々をお呼びになった。 そしてこう申された。 『皇帝を産んだのは…

【愛とは。】29…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

スのもとへと訪れるのは、漢山へ氏とその一族。 … 向かい合い、改まってへ氏。 「この度の婚姻、誠におめでとうございます」 「ありがとうございます。でも、どうして…」 そこで… へ氏の後ろに控えていた 老年の男性とその息子と思われる男性が少し前へ。 年…

【愛とは。】28…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「おまえは永遠に『私の人』だ」 **** ふたり並んで歩きながら 「それにしても… おまえはどんな手を使ったんだ。 毒をすり抜けるとは…」 薬指にはめられた指輪を嬉しそうに眺めながら 「陛下にできて、わたくしにできないことはありません」 「生意気な…

【愛とは。】27…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「待たせたな、すまない」 スの顔を正面からしっかりとみつめるソ。 その前に急に跪いて 「愛している。 わたしと婚姻してくれ、スよ」 指輪を差し出す。 … 「陛下、どうかお立ち上がりください。 こんなお姿を見られたら わたくしが罰せられます。 それに……

【愛とは。】26…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

石塔の前で、目を閉じ、祈りを捧げるス。 そっと優しくお腹に触れる。 … 後ろから近づく懐かしい気配に ふと気づいて、目を開く。 抱きしめられる感触。 腕の中の温かさに身を委ねる。 … 「会いたかった」 その言葉に安らかな表情を浮かべるス。 ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎…

【愛とは。】25…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

松嶽。 騎乗したまま高台から皇宮を見下ろすソ。 厳しい顔、口もとを引き締め、瞳は不安に揺れている。 眼下には、東池と願いの石塔が見える。 ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎ そこへ… 石塔に向かって、 遠くからゆっくりと 歩いてくるひとりの女性の…

【愛とは。】24…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

茶の準備を整えた盆をもち、スの前に進み出るチェリョン。 覚悟を決めたように固い表情のス。 盃に注がれた茶をみて、ギュッと目をつぶり… 「高麗の未来永劫の平和をお祈りします」 一気に飲み干す。わずかに震える唇… **** 完山。皇帝の駐留先。 御前で…

【愛とは。】23…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

箱を空け、義甲(爪)に手に伸ばすペガ。 ス、急に立ち上がり 「あっ、、、ペガさま、 あの、あの、、、、」 「なんだ、スよ?」 … 「その、えっと、そう! 演奏の前に三献の儀で 高麗の安泰、陛下と皆さまのご健康をお祈りしませんか? わたくしにやらせて…

【愛とは。】22…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

七夕(しちせき)の宴。 卓を囲むのは、ス、ペガ、ウヒ、 黄州院ファンボ氏、ヨナ、ウォン、 そして皇太后忠州院ユ氏。 側で見守るジモン。 卓の上には、料理の数々。傍らには筝の用意が。 **** 食事も進み、宴もようやく和やかに。 いくらか寛いだよう…