【愛とは。】36(完)…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
明るい光に包まれて…
額と左頬に深い傷をたたえた、ひとりの男、ワン・ソ。
その顔にそっと伸びる手。
優しく傷をなぞるのは「わたしの人」ス。
あの時のように、ソの顔にメイクを施す。
スの顔をじっと見つめるソ。
ふたりだけの静かな時間が過ぎていく。
****
「はい、できました」微笑むス。
…
身支度を整えたソとス。
ふたりが身を包んでいるのは、婚礼衣裳。
緊張の面持ちのスの髪に
自らが贈ったかんざしをさすソ。
心から満ち足りた優しい顔。
ス、少し柔らかな表情になって
「陛下、さあ参りましょう」
その腕をとって
「ちょっと待て」
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正殿に入廷する皇帝と皇后。
それを囲む大勢の豪族と臣下たち。
嬉しそうに見守る
ペガ、ジョン、ジモン、パク・スギョン。
そして皇太后の姿も…
控えめに参列するウォン。
厳かに、晴れやかに、婚姻の儀がはじまる。
…
ふたりが玉座に就こうとするその瞬間
急ぎ足、飛び込んでくる者がひとり。
ウク。
…
「その婚姻は無効です」
玉座の前に駆け寄るウク。
それを制するジョンとペガ。
ふたりに抑えられながら
「その婚姻は無効です。
体に傷がある者は皇帝と婚姻できません」
静かに見つめ合うソとウク。
…
「傷、とな?」
「はい。スの左手には傷があります」
…
「どれ、見せてみろ」
スの左手を握り、高く掲げ、臣下たちに見せるソ。
…
その手首に傷はない。
…
「かつて顔に傷のある皇子がいたそうだ。
その者はどうなったであろう…」
悔しそうなウク。だまって下を向くウォン…
…
正殿に高らかに響く、チェ・ジモンの声
…
「漢山へ家のスを皇后に迎えたゆえ
礼を尽くすよう命ずる」
「皇帝陛下、皇后陛下にお祝い申しあげます。
幾久しく、健やかに!
幾久しく、健やかに!」
(完)
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ご愛読いただき、ありがとうございました!
楽しんでいただけたでしょうか?
最初は10〜12話の予定だったこの小説。皆さんに応援いただいたお陰で話が膨らんで、ここまで参りました。また途中から、さまざまな登場人物が「あれ?わたしは?」と勝手に割り込んできたりして…わたし自身がいちばん楽しんでいたと思います。
皆さまにお付き合いいただいたこと、心より感謝しております。
一旦、終了しますが、この後に番外編をいくつかご用意しています。
メインストーリーに入りきらなかった、あのエピソードが登場する予定です。登場人物がまだまだ黙ってはいませんでした(汗)
引続きどうぞよろしくお願い致します♪
たくさんの愛をこめて、ありがとうございます♪
****ご意見、ご希望などありましたら、
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テレ東の麗 花萌ゆる8人の皇子たち 明日が最終回だけど、辛すぎて、アカウントまでつくる始末。このドラマそしてイジュンギさまを知る前の自分に戻りたい… pic.twitter.com/hA8eeZ1Te1
— 昭と樹 (@soandsooryeo) 2017年9月20日
18話を受け入れることができなくて、妄想二次小説を書く。ブログまでつくってしまった。重症だ。
— 昭と樹 (@soandsooryeo) 2017年9月20日
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