番外編【愛とは。】行到水窮處4…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
皇宮。スの部屋。
沈痛の面持ちで部屋の前に佇むのは、ペガとジモン。
傍らには内官や女官たち。
部屋の中のようすをじっと伺う。
…
そこへ、駆けつけるジョン。
「兄上、ス姉上の容態は?」
「ああ、ジョン。久しぶりだな。知らせが届いたか」
「どうして皆、ここに? なぜ部屋に入らない…?」
ペガ、部屋の方へと視線を向けながら
「陛下がついているが、あのようすでは近づくのも憚れる」
扉の隙間から見えるのは…
…
寝台の上のスの手を静かに握り、涙にくれるソの姿。
…
ジョン、小さくため息をついて
「ソラは?」
「ああ、宗の学者に学ぶため、半年ほど前から漢山に留学している。ウク兄上が迎えに行った」
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そこへ駆けつける少女…ソラ。付き添うウクも心配そうに険しい表情。
…
「叔父さま、母上は? 母上は?!」
ソラの瞳をみるが、すぐに言葉を発することができないペガ。
ソラ、女官の後ろに控える女性を見つけ
「あっ、チェリョン。母上はどうしたの? あんなに元気だったのに…」
涙を流しながら
「お嬢さま、奥さまは、流産されて…」
「えっ、流産…?!」
チェリョンの足もとにしがみつく小さな男の子。不安そうな瞳でソラをみる。
(続きます)
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