あとがきに代えて【愛】について。
妄想小説【愛とは。】にお付き合いいただき、ありがとうございました。
この小説は【愛】について語っています。
物語のテーマとして中心を貫きながら、さまざまなかたちで「【愛】とは」なにか? そこにどんな意味があるのか? を問うています。
『麗』の沼にすっかり嵌まってしまったわたしですが、その理由のひとつがこの物語の主題が「浮生」人生は儚く、空しい…というものでした。
ちょうど、わたしが『麗』と出会ったころ…それよりも少し前から、わたしは自分の人生をまさに「浮生」だと感じていました。いまも、そうです。
まわりから見たら、幸せそう、楽しそう、なにも悩みがなさそう…そう思われているわたしですが、自分自身ではまったくそんなことはなく、見えないからこそ、深い、深い、闇に入り込んでいます。光あるところに、闇あり。ふだん見えないものにこそ、真理は宿っています。
楽しいこと、嬉しいこと…喜びはいつだって刹那。苦しいこと、悲しいことは、なかなか忘れることができず、いつも背後霊のようにつきまとい、自分を支配し、いつの間にか身体の一部へとなってます。
わたしは、誰かを…あの人を、捨ててしまったのではないか、そう、ずっと思い悩んでいます。
愛ゆえに、誰かと離れざるを得ない…そんな経験をしてきたから、【麗】というこの物語の切なさ、美しさがダイレクトに心に響いたのでしょう。
そこには憎しみも悲しみもありません。慈しみのなかにある僅かな煌めきを、ただ、ただ、どうすることもできずに、胸に抱えて生きるだけ。死に際してもなお。それがまさに「浮生」。
物語は物語、しょせんフィクション。妄想であり虚構です。
あなたがいま、生きている場所で、誰をどう愛するかは、あなた次第。
あなたとわたしが、愛している人に、愛していると伝える機会と勇気がもてることを祈って、この物語のあとがき代わりとさせていただきます。
愛したい人を力の限り、思いっきり、愛してください。
あなたを愛しています。
(20171020/0115)
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実はこのあとがきを投稿しようかずっと迷っていました。
けれど、この小説の最終話を迎えた昨日、11月1日が
偶然にも本国で【麗】の最終回からちょうど1年だったことを知り
思いきって、投稿することにしました。
人の心、想いはどこかで繋がっているとわたしは信じています。
だから、わたしが皆さまを
そして、あの人を愛していることが
頬をかすめる風や、樹々の香りにでも感じることができれば…
そう願っています。
“風にかすめる君の香りでも 僕は君だと分かる”
【日本語訳】君のために(너를 위해) チェン、ベッキョン、シウミン (EXO) 月の恋人 - 歩歩驚心 麗 OST
(20171102/0235)