【昭と樹】麗 花萌ゆる8人の皇子たち(Moon Lovers 月の恋人 歩歩驚心)《二次小説》

18話があまりにも辛すぎて、受け入れることができず…

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

【愛とは。】35…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

そのころ、東池。願いの石塔。 祈りを捧げるス。 そこに近づく、ジョン。 その気配に気がついて 「あら、ジョンさま。お帰りなさいませ。 まだ、ご挨拶できずに失礼しました。 無事にお戻りになれれて、なによりです」 「姉上、体調はどうか?」 「はい、お…

【愛とは。】34…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

婚姻の儀を控えた朝。 ひとり机に向かうソ。 … 髪をおろし後ろでまとめ、左頬には長い前髪がかかる。 皇帝としての鎧を脱ぎ捨てた素の姿。 一通の手紙を書き終え、封をする。 続いて取り出したのふたつの巻物。 皇帝からの命令書。 なにかを書き込んでいく。…

【愛とは。】33…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

夜。皇宮の廊下を歩くソ。 足取りは軽やか。 … スの部屋の前。 「スよ、わたしだ」 逸る気持ちを抑えて扉を開く。 … そこには 机の上に下にと、たくさんの品を広げ あれこれ悩んでいるスの姿。 「あら、陛下」 立ち上がりそうになるスに身振りだけで そのま…

【愛とは。】32…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

ウクの屋敷を訪れるウォン。険しい表情で 「大変だ。今朝、陛下が戻った。 すぐにヘ・スと婚姻するといっている」 「なに? ソが…?! スも毒を飲んだのにけろりとしている。 どういうことだ?!」 そこへヨナが現れて 「兄上、大変です。我がファンボ一族が…

【愛とは。】31…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

人目を避けるようにして、牢獄を訪れるス。 隅でうずくまり膝をかかえるチェリョン。 「お嬢さま…」 スに近づき、格子ごしに泣き崩れる。 「ごめんなさい、ごめんなさい。 わたし、わたし…」 「いいのよ。分かっていて飲んだのだから」 **** あの日の茶…

【愛とは。】30…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

そこに現れたひとりの女官。 手には花嫁衣装を持っている。 「皇太后さまからです」 驚く、ス。 … 語りだす、ミョンの父 「いまから半年前 元旦節に際して、皇太后さまとユ一族は、 カン氏と我々をお呼びになった。 そしてこう申された。 『皇帝を産んだのは…

【愛とは。】29…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

スのもとへと訪れるのは、漢山へ氏とその一族。 … 向かい合い、改まってへ氏。 「この度の婚姻、誠におめでとうございます」 「ありがとうございます。でも、どうして…」 そこで… へ氏の後ろに控えていた 老年の男性とその息子と思われる男性が少し前へ。 年…

【愛とは。】28…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「おまえは永遠に『私の人』だ」 **** ふたり並んで歩きながら 「それにしても… おまえはどんな手を使ったんだ。 毒をすり抜けるとは…」 薬指にはめられた指輪を嬉しそうに眺めながら 「陛下にできて、わたくしにできないことはありません」 「生意気な…

【愛とは。】27…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「待たせたな、すまない」 スの顔を正面からしっかりとみつめるソ。 その前に急に跪いて 「愛している。 わたしと婚姻してくれ、スよ」 指輪を差し出す。 … 「陛下、どうかお立ち上がりください。 こんなお姿を見られたら わたくしが罰せられます。 それに……

【愛とは。】26…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

石塔の前で、目を閉じ、祈りを捧げるス。 そっと優しくお腹に触れる。 … 後ろから近づく懐かしい気配に ふと気づいて、目を開く。 抱きしめられる感触。 腕の中の温かさに身を委ねる。 … 「会いたかった」 その言葉に安らかな表情を浮かべるス。 ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎…

【愛とは。】25…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

松嶽。 騎乗したまま高台から皇宮を見下ろすソ。 厳しい顔、口もとを引き締め、瞳は不安に揺れている。 眼下には、東池と願いの石塔が見える。 ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎ ✳︎✳︎✳︎✳︎ そこへ… 石塔に向かって、 遠くからゆっくりと 歩いてくるひとりの女性の…

Straight to the Ryeo 〜 自己紹介に代えて

2017年8月25日。 朝、8時台にたまたまチャンネルを合わせたテレビ東京。 そこで、偶然、わたしは『麗』という韓国ドラマと出会うことになる。 切れ長の瞳が印象的な美しい男性が、馬を駈ける姿。 主人公らしき女性が、書棚で男性と語り合う。 そのときはこれ…

【愛とは。】24…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

茶の準備を整えた盆をもち、スの前に進み出るチェリョン。 覚悟を決めたように固い表情のス。 盃に注がれた茶をみて、ギュッと目をつぶり… 「高麗の未来永劫の平和をお祈りします」 一気に飲み干す。わずかに震える唇… **** 完山。皇帝の駐留先。 御前で…

【愛とは。】23…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

箱を空け、義甲(爪)に手に伸ばすペガ。 ス、急に立ち上がり 「あっ、、、ペガさま、 あの、あの、、、、」 「なんだ、スよ?」 … 「その、えっと、そう! 演奏の前に三献の儀で 高麗の安泰、陛下と皆さまのご健康をお祈りしませんか? わたくしにやらせて…

【愛とは。】22…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

七夕(しちせき)の宴。 卓を囲むのは、ス、ペガ、ウヒ、 黄州院ファンボ氏、ヨナ、ウォン、 そして皇太后忠州院ユ氏。 側で見守るジモン。 卓の上には、料理の数々。傍らには筝の用意が。 **** 食事も進み、宴もようやく和やかに。 いくらか寛いだよう…

【愛とは。】21…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

物思いから意識を戻して 「チェリョン…」ため息をつくス。 … 「あら、お嬢さま。呼びましたか?」 そこへ現れたチェリョン。 驚いて、顔をあげるス。 … 「今日は、七夕(しちせき)の準備で大忙しです」 ス、僅かに口を結び、目を反らして「そう…」 「なにも…

【愛とは。】20…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

茶美園。 自らが調合した薬草茶を手に、部屋に戻ろうとするス。 物陰から話し声が。 … ウォン「…七夕(しちせき)の際にこの……を……に」 怯えたように首を横に振る女官。 なにかを渡し、それを受け取る。 … 「それから、これを…」 ウォンが耳打ちをする女官が…

【愛とは。】19…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

季節はめぐり、初夏に。 松嶽。正殿。 空席の玉座を前に、ペガとジモンが向かい合う。 ジモン「今朝、使者が戻りました」 ペガ「陛下からなにか報告は?」 「北方とのトラブルはほぼ平定。 慶州で新羅出身の豪族との交渉も終え いまはかつての後百済の地に赴…

【愛とは。】18…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

立ち上がるソ。すでに数人の刺客に囲まれている。 (少し油断したか…) ふっと笑って … 突如、襲いかかる刺客から身をかわす。 ひとり、ふたり、三人… 四人目を足蹴りにして剣を奪い、 振り向きざまに後ろからくる五人目を 斬る。 … さらに襲いかかる者たち…

【愛とは。】17…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

スの後ろ姿に向かって、囁くようなウクの小さな声… 「金城が奴の死に場所だ…」 **** 夕刻。 ウク、そしてジモンを探すス。 正殿の中もその周辺もがらんとしていて誰もいない。 **** 瞻星台。 縁台に立ち、星を眺めるジモン。 気配に気づき、振り返っ…

【愛とは。】16…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「しばらく陛下は戻らない…」 スにそう告げるペガ。 **** 数ヶ月後。 季節は冬から春へ。 … 書斎でひとり机に向かうス。 行到水窮處 坐看雲起時 紙を重ね、 文字をなぞる。 瞳に涙を堪えるス。 新しい紙をもう一枚だし また重ねようとするが… ふとなにか…

【愛とは。】15…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

柔らかな朝の光に包まれた部屋。 身支度を整え終えたソ。 先ほどまでの 愛に震えた少年のような眼差しから 威風堂々とした皇帝の姿へ。 寝台で眠るスはあどけない少女のよう。 まっすぐに見つめるソの気配を感じ、うっすらと目を開ける。 「おまえはゆっくり…

【愛とは。】14…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「ところで、、、 その、おまえは、ウクと、あの…」 「?」 「その、なんだ、口づけ、とか…」 怒ったような、寂しそうな、スから顔を背けるソ。 ふっ。 静かに微笑みながらス。 「そんなこと…」 「そんなこととは、なんだ!!!」 慌ててスに向き合いながら …

【愛とは。】13…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「陛下とわたくしは 困難を乗り越えることができた。 だからこうして 一緒にいることができるのです。 ただ、それだけの違いだと思いませんか?」 「それだけの違い、か」 … 「けれど、それは大きな違いでもあります」 … 「振り返ってみると、あのときあのお…

【愛とは。】12…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「おまえを傷つけて、すまない」 その言葉を聞いて 瞳にうっすらと涙を浮かべるス。 顔、そして身体中につけられた傷よりも もっと深いところに傷を負う ソの心を想い、下を向く。 … ゆっくりと顔をあげたス。 小さな掠れた声で 「陛下はなにを恐れています…

【愛とは。】11…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

明け方。 遠い記憶から意識を漂わせ、ゆっくりと目を開けるス。 下腹部を中心に身体中を走る鈍い痛みに、 思わず眉を顰める。 (体が重くて動かない…) ため息をつくも、自らを包む温かさに気づく。 … 顔をそっと動かすとそこには 後ろから自分を抱きかかえ…

【愛とは。】10…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

「ヘ・スとわたしは婚姻の約束をした仲です」 … 無言でウクの顔を見つめるソ。 「スとわたしは一緒の家に住んでいた。 スが長年、腕輪を大切につけていたことをあなたもご存知でしょう? 陛下の女人になるずっと前から スは『わたしの人』なのです」 挑戦的…

【愛とは。】9…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

茶美園の一室。 忠州ユ氏、信州カン氏、漢山ヘ氏が茶を楽しむところに、皇帝ワン・ソとジモンが訪れる。 **** 夜。 部屋に戻るソをスが追いかけながら、ウクの幽閉をとがめる。 「ご兄弟、仲良くしてとお願いしたではありませんか?」 「膝をつくな」 「…