【昭と樹】麗 花萌ゆる8人の皇子たち(Moon Lovers 月の恋人 歩歩驚心)《二次小説》

18話があまりにも辛すぎて、受け入れることができず…

【愛とは。】33…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

 

 

夜。皇宮の廊下を歩くソ。

 

 

足取りは軽やか。

 

 

 

スの部屋の前。

 

「スよ、わたしだ」

 

逸る気持ちを抑えて扉を開く。

 

 

 

そこには

机の上に下にと、たくさんの品を広げ

あれこれ悩んでいるスの姿。

 

 

「あら、陛下」

 

立ち上がりそうになるスに身振りだけで

 

そのままでよい

 

と制す。それに従い、座ったまま頭をさげるス。

 

「おいでですか」

 

 

 …

 

嬉しそうなソ。

 

「どうした? 明日の準備はまだか?」

 

f:id:soandsoo:20171027103838j:image

 

 

 

 

「はい、陛下。

 

お戻りになってから1日で婚姻をするとは、みなが困っております」

 

 

「そうか? 道具類はすでに手配してあったであろう?」

 

 

部屋を見渡せば

姿見の隣りにかかるのは、皇太后から贈られた婚礼衣裳と装身具の数々。

鏡台の上は新しい化粧道具が並んでいる。 

 

 

「ジモンが明日にでも挙げろというのだから、いいではないか」

ちょっと拗ねたように口を尖らせる。

 

 f:id:soandsoo:20171027104253j:image

 

そんなようすを見ながら

 

「みなが協力してくれたので、おおかたの準備は整いました。

あとは宴のテーブルセッティングを考えるだけなのですが…」

 

「てー、ぶりゅ、せってぃ?ん?」

 

「ああ、あの、せっかくですので、食事の席に花を飾ったり、

敷物を工夫したりして、皆さまに楽しんでいただこうかと」

 

「ああ、そうか。そういえば、ウンの誕生日のときも飾りを工夫していたな」

 

「はい、そうでした。

 

ウンさまと奥さまにも、わたくしたちの姿をみてほしかったです…」

 

小さく肩を落とす、ス。

 

隣りに座り、後ろから抱き寄せるソ。

 

 

「多くの血が流れた。悲しみも苦しみも深かった。

そのぶん、わたしがおまえを幸せにする」

 

ニコッと笑って顔を見合わせ

「はい、陛下。よろしくお願いします。

 

お返しに…、わたくしも陛下を幸せにします」

 

 

ちょっと呆れた顔で

「半年の間にずいぶんと逞しくなったな」

 

「はい、わたくしには守るものができました」

 

 

膨らみかけたお腹にそっと手を置く、ス。

その上から優しく手を重ね

 

「大切な宝を守ってくれたこと、感謝している。

礼を言う。ありがとう、スよ」

 

熱を帯びた目でじっとスの顔をみつめるソ。

 

 

「もう危険なまねをするでないぞ」

 

 

うふふ、と笑って

「こうしてまた陛下と過ごすことができて、夢のようです」

 

「ふたりとも死なずにすんだ。これからは子のために長生きしよう」

 

「はい」

 

 

 

 

「で、だな」 

 

 

急に目をそらして、咳払い。

「その、だな…」

 

 

「どうされましたか?」

 

 

「半年も離れていたんだ、、、」

 

スの顔をのぞきこんで

 

 

 

「しても、いいか?」

 

 

 

 

もう…

 

あきれ顔のス。でもなにかを思いついて

 

 

「わかりました、陛下。そのかわり、ひとつだけお願いがあります」

 

 

 

 (続きます)

 

********

 

ここの「しても、いいか?」はもちろん、口づけですよ、口づけ♪

 f:id:soandsoo:20171027103742j:image

 

 

★★★★★★★★

 

おまけ「 ふたりの夜」続きです。

大人な表現がありますので、自己責任でご覧ください♪

✳︎お読みにならず第34話に進んでも支障はありません。

 

 

↓↓↓↓↓↓↓↓

 

お読みになりますか?!

 

どうぞ!!!

 

 

 

 

★★★★上から続きます★★★★

 

 

スからの願いを聞き、ゆっくりと瞳を閉じながら、物思いに耽るソ。

 

 

両手を重ね、ともに握った手の温もりを確かめ、静かに待つス。

 

 

ソ、大きな吐息をひとつつき、決意を込めた瞳でスをみる。

 

 

 

 

「わかった。おまえの望むとおり完璧にはできないかもしれないが、

わたしなりに努力する。明日までの宿題にさせてくれ」

 

 

もうひとつ大きく息をつき、肩を落とすソ。

 

 

安堵の笑みを浮かべながら、ソの胸の内に寄り添うス。

 

 

ソの腕に抱かれ

「陛下、わたくしの気持ちをわかってくださり、ありがとうございます」

 

 

顔を上げ、瞳を揺らし

「これはご褒美です」

 

 

静かに顔を近づけ

 

唇を合わせる。

 

 

柔らかく、温かく、得も言われぬ甘美な感触に、心ときめくソ。

 

唇から伝わる熱が頭の奥、胸の中央、そして体の芯を貫き全身を支配する。

 

 

 

 

その感覚に酔いしれようとした矢先、すっと離れてしまう唇。

 

 

慌ててスの後頭部を手のひらで抱き、再び唇を合わせる。

その口づけは甘く優しく情熱的。

 

 

今度は自らが味わいにいくソ。

 

重ねた唇の感触をしっとり楽しみ、逃がさないよう吸いながら、

お互いの熱さを交換していく。

 

 

深まる口づけに、吐息が漏れはじめ、それがソの炎をさらに熱くする。

 

だんだんと苦しそうに甘い喘ぎ声を奏でるス。

 

そのようすにふと我に返り、そっと唇をはなす。

 

 

瞳を覗き込んで「大丈夫か?」

優しい声に小さく頷く。

 

 

 

 

その瞬間、自らの体が宙に浮く感覚に驚くス。

 

スを抱きかかえ、立ち上がり、寝台へと向かう。

 

 

「陛下、まだ明日の準備が…」

 

 

「おまえのせいで夜を徹し馬を駈け、戻ってきた。疲れたから今日はもう寝る」

 

 

寝台へそっとスをおろし、覆い被さり、上から瞳と瞳を合わせるソ。

 

 

 

「愛している、スよ」

 

 

 

静かに消えるろうそくの炎。

 

 

 

 

(第33話のおまけ、終わり)

 

********

 

陛下、ぜんぜん疲れてるようにはお見えになりませんよ〜!