【愛とは。】31…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
人目を避けるようにして、牢獄を訪れるス。
隅でうずくまり膝をかかえるチェリョン。
「お嬢さま…」
スに近づき、格子ごしに泣き崩れる。
「ごめんなさい、ごめんなさい。
わたし、わたし…」
「いいのよ。分かっていて飲んだのだから」
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あの日の茶美園。
物陰でウォンと密会するチェリョン。
…
ウォン「七夕(しちせき)の席でウクが筝を弾く。
義甲(爪)をこれにすり替えろ」
怯えたように首を横に振るチェリョン。
「もう、できません」
「陛下は戻らない。スをウク兄上のもとに戻すためだ。分かるだろう?」
「わたしは、わたしは…」
「スの命が助かるのだ。
これが終われば、おまえも屋敷に戻れる。そうすれば、おまえも、わたしと…」
ウォンに渡された箱をみつめるチェリョン。
…
「それから、スは体調が悪そうなのでこの茶を淹れて飲ませるように。
問題ない、これは陛下からだ」
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チェリョン、泣きながら
「わたしはあの方を裏切れなかった愚か者です。
でも、後悔はしてはいません。どうか罰してください」
悲しげなため息をひとつついて
「チェリョン…」
その手を握る、ス。
「大丈夫よ、安心して。
自分で間違えて飲んだことにした。
陛下も理解してくれたわ」
じっとスの顔をみるチェリョン。
「ここからあなたを出す。
これからの人生は自分で決めなさい」
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ウクの屋敷を訪れるウォン。
険しい表情。
(続きます)
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チェリョンはなぜ、へ・スを裏切るような行動をとったのか…。
そのヒントは第20話にあります。
(20171027/1130)