番外編【愛とは。】行到水窮處12(完)…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
高麗、松嶽。
皇宮広場にひとりワン・ソ。
風の向きが変わり、俄に暗くなる空。
顧みれば、太陽が…
…
左頬に手を添えるソ。
…
「わたしたちの世が違うなら
わたしがそちらへ行く」
****
ソウル。
「歩けるかい?」
小さく頷くハジン。
後ろから背中を抱き、ハジンを支える男。
反対側からはソラが腕を取る。
「ママ、大丈夫?」
「ええ」
3人でゆっくりと歩き出す。
一歩一歩、薄氷の上を歩くよう、慎重に足をすすめるハジン。
ハジンの肩をしっかりと抱きしめる柔らかな温もり。
…
寄り添って歩く3人。
そのとき、何人かの人を連れた男が展示室へと入ってくる。
壁にかかる一枚の絵画を指しながら
…「この絵は高麗第4代皇帝光宗とその皇后といわれています。服装などから、女性は高い身分にあり、婚姻の儀、いまの結婚式が描かれていますが、不思議なことに、この女性に該当する人物が史実には残っていません。しかも、古代から朝鮮時代までを通じて男女が並んだ肖像画は極めて珍しい。謎の多い絵なのです。」…
そう説明するのは、目がギョロリとした背の高い男。
絵画の中の男女は微笑んでいるようにみえる。
…
「さあ、行こう…」
そっと背中を押す大きな手。懐かしい感触。
…
「わたしの“ス”よ」
…
うっすらと浮き上がる、傷。
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行到水窮處 行きては水の窮まる處に到り
坐看雲起時 坐して雲の起こる時を看る
…
水の中、音もなく静かに沈んでいく体。
…
水しぶきがあがり、池に飛び込むひとりの男。
真っすぐに向かって泳ぐ、その男の顔には…。
(番外編/ 行到水窮處 おわり)
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ご愛読いただきありがとうございました。
2017年8月のある日、『麗 花萌ゆる8人の皇子たち』と運命的な出会いをしたわたし。その後、第18話があまりも辛く切なく、いたたまれなくなってこのような妄想二次小説を書きはじめました。
そしてこの番外編「行到水窮處」は、【愛とは。】に続く最終章です。もう多分、これ以上のネタはない…かな? と思っています。
とはいえ、オリジナルストーリー(本編)のラストから続く、現代版へのご要望などをいただくことも多く、かたちになるようならば、また違う物語にチャレンジしてみたい気持ちもあります♪
このブログは引き続き、『麗』や登場人物、イ・ジュンギさんにまつわる話題を書いていく予定にしております。
よろしければ、今後ともおつき合いいただければ幸いです。
皆さまが「愛」に満ちた日々をお過ごしになることを祈って…
ありがとうございます。
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またまた嬉しいコメントをいただきました✨妄想小説番外編最終章は明日が最終話!麗しの沼に戻れるか分からないので予約投稿します。麗学園も放置でごめん🙏#麗 #花萌ゆる8人の皇子たち#二次小説#イジュンギ#ワンソロス#ようこそ沼へ#麗ファンブック熱望#麗ノーカット版熱望 pic.twitter.com/2CCLRhv0Mo
— 昭と樹 (@soandsooryeo) 2017年11月29日
ワンソさまファッションチェック✨🐺🐶編
— 昭と樹 (@soandsooryeo) 2017年11月29日
解説つけて完成させたい!
イラストはhttps://t.co/nSecAQ38jWさんからお借りしました。#麗 #花萌ゆる8人の皇子たち#二次小説#イジュンギ#ワンソロス#ようこそ沼へ#麗ファンブック熱望#麗ノーカット版熱望 pic.twitter.com/lLJTrk1Y9l
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