【昭と樹】麗 花萌ゆる8人の皇子たち(Moon Lovers 月の恋人 歩歩驚心)《二次小説》

18話があまりにも辛すぎて、受け入れることができず…

【愛とは。】16…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

 

 

「しばらく陛下は戻らない…」

 

スにそう告げるペガ。 

 

 

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数ヶ月後。

 

季節は冬から春へ。

 

 

 

書斎でひとり机に向かうス。

 

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行到水窮處

坐看雲起時

 

 

紙を重ね、 文字をなぞる。

 

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瞳に涙を堪えるス。

 

新しい紙をもう一枚だし

また重ねようとするが…

 

 

ふとなにかを思い、ソからの文を脇に置く。

 

 

真っさらな紙に向かい

筆を運ぶ。

 

 

 

興来毎独住…

 

 

 

 キュッと口を結び、決意を込めたような顔つきになるス。

 

(もう泣かない。わたしは大丈夫…)

 

ふっと柔らかな表情になる。

 

 

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ウクの屋敷----

ミョンとの想い出の場所、願いの石塔。

 

 

祈りを捧げるス。

 

まわりに落ちている石を拾い、持ち帰る。

 

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その姿を見て、近づくヨナ。

 

「あなた、こんなところに来てなにをしているの?」

 

 

ばつの悪そうな顔で、静かに会釈するス。

 

 

苦々しい表情で

 

「陛下が苦労して各地をまわり、

我が兄上が幽閉され苦渋を味わっているというのに…

 

あなたはひとり気楽でいいわよね」

 

 

じっと下を向いたままのス。

 

 

「皇帝が自ら豪族のもとに赴くなんて、

笑いごともいいところだわ。

 

皇位も地に落ちたものね。

 

これも全部、あなたのせいよ」

 

 

ヨナ、ぐっと拳に力を込める。

 

 

「この窮地を救えるのは、わたしだけよ。

 

陛下との婚姻は諦めていないわ。

覚えておいてちょうだい」

 

 

 

 

だまって背中を向け、立ち去るス。

 

その姿をみて、ふとなにかに気づいたようす。

片側の口角がキュッと上がり、悔しそうにまた拳を握る。

 

 

****

 

 

石塔から門に向かい、外に出ようとするス。

 

今度はウクがそれを見つける。

 

 

後ろ姿に

「よく、ここへ来れたな」

 

ウクに気づいて一礼しながら

「申し訳ありません。

どうしてもミョンさんの石塔にお参りしたくて…」

 

石の入った袋を重そうに手に捧げ持つ。

 

 

 

 

「ソに捨てられたな」

 

 

「…ウクさまはそう思いますか?」

 

 

視線を交えるふたり。

 

 

 

 

「いずれにしても奴は戻らない。

 

そろそろ観念しろ。

 

 

わたしの者になれ」

 

 

 

 

ウクの言葉を聞いて、小さなため息をつくス。

 

 

 頭をさげながら

「失礼します」

 

 

 

スの後ろ姿に向かって、囁くような小さな声…

 

 

「金城が奴の死に場所だ…」

 

 

 

(続きます)

 

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 最後のウクの台詞で地名を変えました。あまり大きな意味はありません。フィクションですので、ご了承ください(201014/2200)