番外編【愛とは。】行到水窮處8…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
「母上が亡くなって3年も経つというのに、父上の悲しみが癒えることは一時もないのですね…」
…
そこに…
「兄上、ソラ〜」
振り返ると
大きく手を振るジョン。
そして、ペガ、ウク、ウォン。
ウヒにチェリョン…
ウクとジョンも妻を伴い、それぞれが子を連れている。
近づいてくる弟たち、そして家族。
その顔が3年前、スを囲み、悲しみに暮れた顔と重なる。
(スよ、おまえが遺してくれたものは、こんなにも大きい。
だがしかし、おまえを失ったこの心を埋めることは、誰にもできない…)
…
スの墓標の前に集まる皇帝とその家族たち。
人々の後ろから顔を覗かせたのは、ヨナ。
「陛下、松嶽に戻って参りました」
静かに頭を下げる。黒い衣に身を包み、少しやつれたようす。
「ああ。へ氏は、残念であったな…」
ヨナ、傍らの男の子の背中に手を添え、ソの前に立たせる。
「息子のジュです。ジュよ、陛下にご挨拶しなさい」
「はい、母上」
ソへと向き合い
「皇帝陛下にご挨拶申し上げます」
ジュ、緊張し畏まりながら、頭を下げる。
「母親に似て賢い子だな。スとも遠縁にあたる…」
「はい。わたしも皇后さまのご供養に参列させてください」
「父上、ジュはわたしの弟分なのよ」
明るい笑顔でソラ
「大きくなったわね!」
ソラの顔を嬉しそうに見ながら
「はい、ソラ姉上。お久しぶりです」
笑い合う、ソラとジュ。
ソ、口もとを僅かに緩ませながらも威厳に満ちた声で
「従兄弟たちもいることだ。
これからは、皇宮でともに暮らすがよかろう」
(続きます)
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ヨナの物語は番外編 兄とは3 をご覧ください♪