番外編【愛とは。】行到水窮處11…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
「わたしは溺れて、死んだのではないの?」
その言葉に男、瞳を大きく見開きながら …
「なにを言っているんだい。死にかけたんだ。
しかも、君が溺れたのは15年も前。助けたのはわたしだ」
「15年前…???」
「ハジン、もしかして…、思い出したのかい?」
「思い出した…???」
「池で溺れた君は、それまでの記憶を失ってしまったんだ」
「記憶を失くした…?
わたし、池で溺れて、苦しくて、頭が痛くて…
それで、それで、」
少し遠い目になり
壁にかかる絵に視線を泳がせるハジン。
「気がついたらここにいた…」
「ママ…」不安そうな顔をのぞかせるソラ。
「ああ、ごめんなさい。
大丈夫、あなたはソラよね。わたしの娘なのよね」
「そうだよ、ハジン。君とわたしの娘だ」
男の顔をみながら
「ああ、陛下。あなたは、あなたは…わたしの夫、なのね」
熱い涙が新たにあふれ出す。
「そうだよ、ハジン。
大丈夫だよ。ショックで記憶が混乱しているんだ。すぐに思い出すよ」
優しく抱き寄せられるハジン。
(続きます)
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番外編「行到水窮處」は明日が最終話になります。現代と高麗を行ったり来たりしますが、繋がりましたでしょうか?
最終話に向けて振り返りたい方は、こちらからどうぞ♪
妄想二次小説【愛とは。】は、オリジナルストーリー(本編)18話から枝分かれした物語です。
ワン・ソとヘ・スの娘、ソラの誕生秘話も宜しければ、どうぞ!