【愛とは。】1…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
【愛とは。】
18話から
…ついに第4代皇帝光宗となったワン・ソ。けれど後ろ盾のないワン・ソに対して豪族たちは廃位を求め、ヨナ皇女との婚姻を促される。そんななか、第14皇子ジョンは謀反の罪で帰郷の刑に処され、皇太后ユ氏は倒れてしまう。
*本編のソとヨナの婚姻が辛すぎて、ここでは保留。先にジョンが帰郷の刑になり皇太后が倒れます。
「ジョンを呼べ、ジョンを呼べ」息も絶え絶えの皇太后を前に「皇太后の看病はわたしがする。誰もこの部屋に入れるな」と母とふたりきりになる皇帝ワン・ソ。
献身的に看病するが、ソを受入れない皇太后は水も食事も拒否し、衰弱していく…
扉を開け、皇太后の部屋へ入るヘス。
「このままでは、皇太后さまが死んでしまいます!」
「誰も入るなといってあるだろう」
「おまえだろうと、誰だろうと、ここに入ることは許さぬ。殺すぞ」
「殺されても構いません。
陛下、もう一度、申しあげます。皇太后さまが死んでしまいます」
視線を交わすふたり。
「皇帝となった息子の腕の中で息絶えることができるのなら、本望であろう」
「それは陛下の本心ですか?
皇太后さまはここ数日、お水も食事もお召し上がりになっておりません。
このままでは死んでしまいます」
「わたしが、世話をする。母上はわたしだけのものだ」
…
「陛下はお母さまを愛していらっしゃいますか?」
「当然だ、だからこうして看病をしている」
「愛とはなんですか?」
眉を顰める、ソ。
答えることができず、視線をそらし…
「息子として当然のことだ」
「そうです。息子として当然のことです。
皇太后さまのために、わたくしはお茶を淹れて参りました」
「どうせ飲みはしない」
「ならば、お召し上がりになるようにしてください。陛下の力で」
(意志のある強い眼差し、すべてを諭し受入れる優しい横顔。
わたしはこの人のこういうところが好きなんだ)そう思うス。
「スよ、どうしたらいいいのだ。私の手からではなにも受付けぬ」
「陛下は皇太后さまを愛していらっしゃいます。
それだけで十分だとわたくしは思います」
「そうだ、母上を愛している。
病が心配だ。どうにかして、良くなって欲しいと思っている。
私の手で、母上を看病したい。元気になって欲しい」
「皇太后さまが元気になって、それで」
「息子が自分の世話をしてくれたと、喜んで欲しい。感謝して、、、愛して欲しい。
わたしだけを見て、愛して、息子だと認めて欲しい」
戸惑いを浮かべた表情のソに対して、優しく微笑むス。
「そのためにまず、皇太后さまは生きなければなりません。
このまま、水やお薬をお召し上がりにならないと危険だとは思いませんか」
ふたりの話にじっと耳を傾ける皇太后。
「皇太后さまが口にしたいと思う相手に、そのさじをお渡しください」
膝をつき、崩れ落ちるソ。
「それは、わたしでないと言うのか」
うなずく、ス。
「陛下はいつだって、真っすぐで、ご自分のお気持ちに正直です。
愛されたいと思うのは罪ではありません。
けれど、のど元に剣を突きつけて、俺を愛せ!と脅したら、相手は愛してくれますか?」
「ああ、ああ。愛し愛されて、心安らかに生きたいと思った。
だから、皇帝になったのだ」
「生きたい、愛されたいと望んで来たから、どんなに苦しい状況のときでも
陛下は最善の選択ができたのだとわたくしは思います。
だから、皇帝になることができました。
今まで、どんなに傷つけられても生き延びていらっしゃいました」
「ここは戦場ではない。ただ、わたしは母との時間が欲しいだけだ」
「わたくしと陛下だって、ときに傷つけ合い、
信じ愛し合うまでには時間がかかりました。
陛下はお母さまの愛を25年お待ちになりました。
急いではなりません。もう少し、お待ちになることはできませんか?
いまはじめて向き合おうとしていらっしゃるのです」
「息子なのに、息子なのに、なぜこんなにも母に憎まれなければならぬのか?」
「たとえ全世界の人々が陛下を憎み、恐れたとしても、
わたくしだけは陛下を愛し続けます」
ジョンが入ってくる。
顔を引きつらせるソ。
「わたくしがジョンさまの入廷を許しました。
気に入らないのなら、わたくしを殺してください。
陛下がわたくしとの約束を違えても構いません」
皇太后の部屋を去るソ。皇太后に駆け寄り、抱きしめ、水を飲ませるジョン。
(続きます…)
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19話を観ました。さらに辛すぎて、この妄想(二次小説)を膨らませたくらいでは立ち直れそうにありません…。