【昭と樹】麗 花萌ゆる8人の皇子たち(Moon Lovers 月の恋人 歩歩驚心)《二次小説》

18話があまりにも辛すぎて、受け入れることができず…

【愛とは。】3…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

 

 

太后の部屋。寝台に起き上がる皇太后、歩み寄るジョン。

「母上が元気になられて良かったです」

 

「ああ、ジョン。ありがとう」

 

「お茶をご用意しました」

 

一口飲む。

 

「これは…?」

 

「はい、スがよく効く漢方を遠方から取り寄せたそうです」

 

「そうか、スか」

 

穏やかに、ため息まじりで。

「直接、礼を言う。スをここに呼びなさい」

 

 f:id:soandsoo:20170922172952j:image

 

「皇太后さま、入ります」

 

見つめ合う、皇太后とス。

 

しばし沈黙。

 

スはフッとため息をついて。

 

「皇太后さまにずっとお話したいことがありました」

 

「ん?」

 

「先帝の遺言書のことです。前回は嘘をつきました。

 

 陛下が破り捨てたあの遺言書には、

次の皇帝の名前が書かれていませんでした」

 

「なんと?」

 

「次の皇帝の名前は空白だったのです」

 

静かに話し出すス。

「あのとき…

 

f:id:soandsoo:20170922140035j:image

 

太后さまが外に出たあと、先帝は遺言書を書き始めました。

次の皇帝に誰を指名するか、、、

ジョンさまか、ウクさまか、ペガさまか、

それともソさまか…答えは出ませんでした。

 

そしてわたくしに向かってこう仰ったのです。スよ、お前はすべてを見て来た。

お前が次の皇帝を決めろ、と」

 

f:id:soandsoo:20170922140104j:image

 

f:id:soandsoo:20170922140119j:image

遺言書と筆をわたくしに差し出されて、そのまま息をお引き取りになりました」

 

f:id:soandsoo:20170922140143j:image

 

「そこに陛下があらわれ、遺言書をご覧になり、破り捨てたのです」

 

 f:id:soandsoo:20170922140321j:image

f:id:soandsoo:20170922140340j:image

 

その後のことは、皇太后さまもご存知のとおりです。わたくしが次の皇帝を陛下に指名しました。

 

f:id:soandsoo:20170922140357j:image

f:id:soandsoo:20170922140403j:image 

 

「なんということだ…」

 

「陛下は次の皇帝の名前が書いていない遺言書があることで

混乱を招きたくなかったと仰いました。

あのとき既に皇宮は陛下の兵で包囲されていた。

名前が空白の遺言書を破り捨てることで、ご兄弟や甥たちの血を見ることを陛下は防いだのです。

 

わたくしも陛下とジョンさまたちが争う姿を見たくなかった。

 

罪があるとしたらわたくしです。どうかわたくしを罰してください」

 

 

「スよ、ありがとう」

 

顔を上げるス。

 

「美味しいお茶だった。

わたしはお茶のお礼を言いたくておまえを呼んだのだろう?」

 

 

(続きます)

 

********

 

鬼よりも恐ろしい皇太后がこんな対応をするなんて、本編ではあり得ないのですが、この物語は18話からのパラレルワールド

 

17話でスは皇太后に遺言書のことを聞かれますが、ワン・ソが現れ、先帝は自分に譲位したと嘘をつきます。きっとスは正直に話したかったんじゃないだろうか。勝手に行くなと陛下にまで怒られちゃって可哀想でした。

 

ソがついた嘘を告白し、真実を語るス。

 

母の愛を求めながら、母をまったく信用していないソ。

 

ソが命のために選択した嘘をスが正直に話すことで、皇太后に自分たちの命を委ねます。