【愛とは。】21…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
物思いから意識を戻して
「チェリョン…」ため息をつくス。
…
「あら、お嬢さま。呼びましたか?」
そこへ現れたチェリョン。
驚いて、顔をあげるス。
…
「今日は、七夕(しちせき)の準備で大忙しです」
ス、僅かに口を結び、目を反らして「そう…」
「なにもできなくて、ごめんなさいね」
「いえいえ、お嬢さまはもうここで働く必要はないんですから」
屈託なく笑うチェリョン。
…
「それにしても…
相変わらず顔色が優れませんね」
「心配しないで、大丈夫よ。ありがとう」
立ち去りそうになるチェリョンの袖を引き、振り向かせて
「チェリョン、あなたのことをいつまでも妹だと思っているわ」
「ん?」
「忙しいんでしょう? いいから行きなさい」
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夕刻。七夕(しちせき)の宴。
席につくのは、ペガ、ス、ウヒ。そして側に控えるジモン。
ペガ「結局、わたしたちだけだな」寂しそうな苦笑い。
…
そこに現れたのは
黄州院ファンボ氏、ヨナ、
そしてウォンの姿も。
ヨナ、ペガを見ながら
「あら、宮廷行事なのに皇族があなたしかいないなんて…
皇室の威厳も落ちたものね」
ヨナ、スとウヒの顔をキッと睨む。
「まあ、良いでないか。わたしたちにも一緒に祝わせてもらおう」
不敵に笑うウォン。
…
ペガは慌てて「いますぐに席を用意させます」
女官たちに指示する。
するとそこにもうひとり、
ゆったりとした足取りでやってきたのは…
皇太后忠州院ユ氏。
「なんだか、みなで楽しそうだな。わたしも交ぜておくれ」
新たに席が用意され、一同、座につく。
(続きます)
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