【昭と樹】麗 花萌ゆる8人の皇子たち(Moon Lovers 月の恋人 歩歩驚心)《二次小説》

18話があまりにも辛すぎて、受け入れることができず…

【愛とは。】19…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》

 

 

季節はめぐり、初夏に。

 

松嶽。正殿。

 

 

空席の玉座を前に、ペガとジモンが向かい合う。

 

 

ジモン「今朝、使者が戻りました」

 

 

ペガ「陛下からなにか報告は?」

 

 

「北方とのトラブルはほぼ平定。

慶州で新羅出身の豪族との交渉も終え

いまはかつての後百済の地に赴いているところです」

 

 

新羅後百済、か…」

 

 

 …

 

 

 そこへ現れるウォン。

 

がらんとした正殿のようすをみて

「おまえが摂政では松嶽の政は機能していないも同然だな」

 

 

「ウォン兄上…」悔しそうに拳を握るペガ。

 

静かに会釈をするジモン。

 

 

 

****

 

 

茶美園で卓を囲むヘス、ペガ、ウヒ。

 

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ペガ「わたしには皇帝の代理は重荷だ。

名ばかりの摂政でウォン兄上に嗤われた。

ウク兄上ならばもっとうまく治めてくれるだろうに…」

 

 

ス「ペガさま、そんな…。

陛下が不在の間、よくお務めになっています」

 

 

はあ…とため息をつきながら

 

「陛下は慶州で新羅出身の豪族たちと交渉をもったとのことだ。

我が母一族とも会ったようで、母上も喜んでいた」

 

 

「それは良かったですね」と微笑むス。

 

 

「そうだ、ウヒ。この後は完山にまわるそうだ」

 

「完山…ですか…」ウヒ。

 

 

「ああ、後百済の移民たちへの対応を終えたら、陛下もそろそろ松嶽に戻れるだろう」

 

 

浮かない顔で下を向くウヒ。

 

 

 …

 

 

ペガはそれに気づくことなく、スの顔をみて

 

 「陛下が不在でも宮廷行事は大切にせねば。

来月の七夕(しちせき)の節句は行いませんか」

 

「あら、それはいいですね。

では準備を茶美園に言い渡しましょう」

 

「星に願えば、高麗にも皇宮にも、平和が訪れるでしょう…」

 

 

 …

 

 

そこへやってくるジモン。

 

「あっ、ちょうど良いところにきた、ジモン。

来月の七夕を行おうと思う。準備をたのむ」

 

 

「はい、かしこまりました」

 

頭をさげるジモン。

 

 

「七夕といえば、芸事の上達…

久しぶりにペガさまの筝が聴きたいものです」

 

 

「よし、奏でよう。たまには気分転換もしなければな…」

 

 

楽しそうに笑い合うペガ、ス、ジモン。

 

 

ただひとり、暗い表情のウヒ。

 

 

 

 

****

 

 

ウクの屋敷。

 

 

黄州院ファンボ氏、ウク、そしてウォン。

  

 

黄州院「ソの地盤固めは順調だとわたしの耳にも入っている。

どうなっているのだ?!…」

 

ウク、ウォンに向かって「次の手は打ったのか?」

 

ウォン「周辺の警備が固く…。なにかに別の方法も考えましょう」

 

ウク「そうだな、それにしても、目障りなのは…」

 

 

 

 

ドアを開けそこに現れたのはヨナ。

 

「どうしてわたくしだけ仲間はずれなのですか?」

 

 

ウク「もう陛下との婚姻は無理だ。諦めろ」

 

不敵な笑みを浮かべて

「そうですか…。

 

ああ、そういえば

面白い話がありました。ヘスは…」

 

 

夜は更けていく。

 

 

 

 (続きます)

 

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