【愛とは。】17…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
スの後ろ姿に向かって、囁くようなウクの小さな声…
「金城が奴の死に場所だ…」
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夕刻。
ウク、そしてジモンを探すス。
正殿の中もその周辺もがらんとしていて誰もいない。
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瞻星台。
縁台に立ち、星を眺めるジモン。
気配に気づき、振り返って
「お嬢さま、こんなところへ。どうされましたか?」
スの顔をみて、わずかに表情を変える。
「陛下はいま、どこにいらっしゃいますか?」
「昨日戻った使者によると、慶州のあたりと…」
「慶州ですか?
あの、、、金城…って?」
「スさま、なぜご存知で?」
それを聞いて、目を見開くス。
「いますぐ、知らせて欲しいのです、、、」
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夜の山道。馬を走らせるジモン。
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水辺の草むらに寝転ぶソ。
皇帝の衣を解き、気軽な姿。
星空を眺めながら、スのことを想う。
…
ある日のソの部屋。
疲れを隠しきれないソに優しく膝枕をするス。
「今日はどんな物語をしてくれるのか?」
顔を緩ませ嬉しそうなソ。
「うーん、そうですね。
わたしみたいなススだらけの女の子が、
ガラスの靴を履いて、
王子さまに求婚されるお話はいかがでしょう?」
…
胸に手をあて、じっと星を見つめる。
…
そこに微かな気配。
ゆっくりと立ち上がると
数人の刺客。
すでに囲まれている。
(続きます)
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