【愛とは。】15…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
柔らかな朝の光に包まれた部屋。
身支度を整え終えたソ。
先ほどまでの
愛に震えた少年のような眼差しから
威風堂々とした皇帝の姿へ。
寝台で眠るスはあどけない少女のよう。
まっすぐに見つめるソの気配を感じ、
うっすらと目を開ける。
「おまえはゆっくり休んでいろ」
聞こえているのか、いないのか、ぼんやりしているス。
僅かに、優しい微笑みを浮かべて
「少し忙しくなる。待っていろ」
部屋を出て行くソ。
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正殿に集まる皇族と豪族。
陛下の前に進み出る、ペガ、ジョン。
苦々しそうに列に残るウォン。
豪族たちの動揺したようす。
それを見守るジモン。
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午後。スの部屋。
女官がお粥を運ぶ。
まだ、ぼんやり眠そうなス。
「陛下より、ゆっくりお休みくださいとのことです。
今日はこのままでどうぞ」
小さくうなずく。
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深夜。
スの部屋を訪れ、静かに近づくソ。
ぐっすり眠るスの顔を見つめ、
そっと頬に触れる。
深いため息をつき
そのまま部屋を立ち去る。
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翌朝。
皇宮前の広場。
馬に乗る皇帝と後に続く、ジョン。
豪族たちと臣下。それを守る兵。
皇帝ワン・ソ、大きく右手を上げ、出立を示す。
ペガとジモンは一礼し、見送る。
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ヘスの部屋を訪ねるペガ。
「体調はどうか?」
寝台の上に起き上がり、静かに微笑んで
「大事をとって少し休ませていただきました。
もう大丈夫です」
…
ペガ「陛下が旅立った。
契丹との国境トラブル、
西京遷都中止による謀反の動き、
また、豪族たちとの結束を高め、
民のようすを知るため、各地を視察する。
しばらくは戻らない…」
(続きます)
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