【愛とは。】8…麗 花萌ゆる8人の皇子たち18話から《二次小説》
元旦節、翌日の朝。
皇太后の部屋。
皇太后とその一族、忠州ユ氏とが向かいあう。
そこへ、信州カン氏が漢山へ氏を連れて入ってくる。
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正殿にて、玉座の前にチェ・ジモン。
「昨日から豪族たちが陛下の婚姻相手について騒いでおります。
皇后はヨナさまではなかったのかと。
陛下、どうなさるおつもりですか…」
顔色ひとつ変えない皇帝ワン・ソ。
「それから、ウク皇子さまの外出を禁じ、兵で見守らせていますが
これに対して豪族たちの反発が強く、半日もつかどうかわかりません。
いつ誰が兵を挙げてもおかしくない状況です」
そこに内官が近づき、ジモンに耳打ちをする。
「陛下、漢山へ氏が謁見に来ております」
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陛下の御前に進み出る漢山へ氏とその一族。
「新皇帝陛下におかれましては、ご機嫌麗しゅう…」
「面倒くさい挨拶は不要だ。なぜ急にここに来た? 要件を早く言え」
「昨日の朝賀ではご挨拶できずに失礼しました」
「ああ、久しぶりだな」
「今日はお話があって参りました、我が一族の娘・スのことです、、、」
「スだと?!」
大きく目を見開き、へ氏を睨むソ。
「長らく皇宮でお世話いただき誠に感謝しております。
この度、国境のトラブルを回避するため、スを契丹へ嫁がせることになりました。
婚姻を許可していただきたくお願い申しあげます」
「契丹へ嫁がせる? 馬鹿なことを申すな。
昨日も見たであろう。スは私のものだ」
「はい。ですが、スは誰とも婚姻しておりません。
茶美園の尚宮の職も辞したとうかがいました。
女官ですらありません。
スの面倒は一族が見るのが道理です。
神聖皇帝との婚姻が破綻し、密貿易の疑いをかけられた後
我々はしばらく松嶽の政から距離を置かざるを得ない状況でした。
肥沃な土地を下賜り、しばらくは静かに暮らしておりましたが
先帝の時代に皇弟ワン・ジョン将軍が制圧した契丹に不穏な動きが出ております。
いつまた猛威を振うか分かりません。
いま、我々が国境を守らなければ、一族は滅び、高麗も危険に曝されます」
じっとへ氏の顔をみるソ。
「一族の命が大切、高麗も危険か。
だから混乱を避けるため、権力のあるものとスを婚姻させる…なるほどな」
「はい、仰せの通り」
「で、誰の入れ知恵だ?」
下を向いたままのへ氏。
…
険しい目でへ氏一族を睨むソ。
(続きます)
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ついにDVDを購入し、1話から見直していますが、いや〜、改めてほんと、すごい物語です。細かい部分まで気になり、巻き戻しては見入ってしまっていて、なかなか進みません。加えて、わたしが見ていたテレビ東京版でカットされていたところが明らかになり、なるほど!そうだったか!と物語がクリアになりました。早く見ておけばよかった。
このストーリーを書くにあたり、忠州ユ氏、信州カン氏、黄州ファンボ氏の関係などもDVDで再確認していますが、スの一族であるへ氏がどこ出身なのか、判明しませんでした。 どこかで「漢山へ氏」と見たことがあるような気がしたので、ここではそうしています。正しい答えをしっている方がいらっしゃいましたら、教えてください。
で、このストーリーはこんなことになってます。鍵を握っているのはそう…。オリジナルストーリー18話を見終わったときから、ワン・ソよ、なぜ母ちゃんを死なせたのか!と思っていたわたし。スとの未来のためには、この母親が重要な意味をもってきます。そこで、本編でも度々、問題になってきた「契丹」を切り札に使ってみました。
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一部内容を改訂しました。本来は10〜12話の短編の予定でしたが、思いのほか、長編になってしまったので、、、筆者の都合で申し訳ありません(20171017.0830)